居酒屋の帰り道．．．

居酒屋の帰り道

私たちには、ここ十年程通い続けているお気に入りの居酒屋がある。

自宅から徒歩で30分程の距離にあるその居酒屋さんは、とにかく料理がおいしいお店だ。

お刺身、豚足、天ぷら、鍋、サラダ、お通しなど、すべてのメニューが美味しくてお酒もすすみ、空腹を満たし、心を癒してくれる。

妻と二人で通う、この居酒屋は私たちの心のオアシスといってもいい場所になっている。

 

先日、その居酒屋さんで、妻と二人、いつものように美味しい料理を肴に、ビールと焼酎を飲んだ。ちなみに妻は冷酒が好きである。

 

お酒を飲んだ後の自宅まで帰る30分の徒歩での道のりが最近は少々きつくなってきて、ここ1年くらいは、行きは車、帰りは代行をお願いすることが多くなった。情けない話である。

 

その日は、久しぶりに妻と二人徒歩で居酒屋に行った。その帰り道のことだ。

 

気分よく飲んで少々飲みすぎてしまった私は、急にお腹が痛くなり下品な話で恐縮だが、催してしまった。

 

妻は、笑いながら近くの公園のトイレを提案してくれた。少し回り道して、そこに行ってみるとトイレの入り口に鍵がかかっていた。妻は大笑いした。私は絶望感で真っ青である(笑)

 

結果的には、なんとか我慢できて事なきを得たが、つくづく老いを感じ、同時に横に妻がいてくれることへの感謝の念が湧いてきた。

 

人間誰しも年を取る。体もいうことをきかなくなることが多くなる。

 

決して介護をしてほしいわけではないが、傍にパートナーがいてくれることがどんなに有難く幸せなことだろうかと思った。

 

老いと幸せを感じた居酒屋の帰り道だった。

 

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